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仮想ストレージを実現するストレージ・フェデレーションの全貌

専門チャンネル 仮想化 カテゴリ最新テクノロジー解説 解説更新日2010/05/19
著者EMCジャパン 若松 信康 


仮想ストレージ実現の壁

今回は、仮想ストレージを実現するストレージ・フェデレーションについてご紹介します。ストレージ・フェデレーションとは、分散ストレージ連携のアーキテクチャであり、ストレージとデータがどこにあろうと透過的に共通プール化することで、必要なときに最適な場所へデータを再配置したり、データの共有や分散を、たとえ距離の離れたデータセンターの間であっても実現するものです。しかし、これはアプリケーションから見れば、データがひとつの場所に集約されているか分散しているかに関わらず、透過的にアクセスできなければならないことを意味しています。
たとえば、これまで、複数の仮想マシンがひとつのLUNを共有している場合、仮想マシンの移動がLUNを共有するすべての仮想マシンに影響していました。そのため、個別にLUNを割り当てる必要があり、運用負荷の向上と利用効率の低下という問題がありました。また、VMware Storage VMotionを利用する場合でも、仮想マシンを特定の物理サーバに保持したまま、データの移動先の割り当てとコピーを事前に行い、その後、仮想マシンの移動と接続性を引き継いできました。つまり、仮想マシンとそのデータは、場所を越えたときに、そのアクセスの透過性が課題となっていました。

さらに、この透過性を確保したとしても、もう一段階の課題がありました。
複数の分散した仮想マシンからひとつのLUNへアクセスする場合や一つの仮想マシンから複数の分散したLUNにアクセスする場合、アプリケーションから常に単一(最新)のデータへ遅延なくアクセスできる必要があり、分散している特定のデータへの書き込み要求にも対応できなければならないという点です。

ストレージ・フェデレーションはこれらの課題を解決することで、データセンターのこれまでの戦略を大きく変えるものとなります。

ストレージ・フェデレーションを実現する技術

では、これらの課題をどんな技術で解決したのか?
ストレージとサーバを仮想化によって分離しながら、場所を越えてデータの一貫性を仮想化レイヤ内で維持する仕組み、これを独自の「分散キャッシュ連携技術」により実現しました。
従来、マルチプロセッシングシステムのCPUにおいて、そのキャッシュとメインメモリのデータの一貫性を保持し、常に最新の単一のデータコピーを保持する仕組みがありました。これにより、ユーザーは、CPUを意識することなく正確に最新のデータにアクセスすることができました。この技術を場所を越えてストレージの利用環境において実現させたのが「分散キャッシュ連携技術」です。この技術では、どこからアクセスしても常に最新の単一のデータにアクセスすることができます。複数の書き込み要求の中で、常に一貫性のある単一のデータを、サーバとストレージの間の仮想レイヤにおいて維持します。

その仕組みは次のようになります。

仮想ストレージを実現するストレージ・フェデレーションの全貌 図1

①キャッシュAに対する新規書き込み要求をします。
②キャッシュAからディスクへの書き落としと同時に、書き込み元と書き込みされたデータブロックのアドレスを、仮想
 レイヤ内で共有されるキャッシュ・コヒーレンシ・ディレクトリ上で更新します。
③他サイトから同データブロックへの読み出し要求があった場合に、まずローカル・キャッシュへアクセスします。
④ローカルにデータが存在しない場合、キャッシュ・コヒーレンシ・ディレクトリを参照し、最新のデータが保存されている
 場所を確認します。
⑤適切なストレージからデータを読み出します。

このように、最新の単一のデータがどこに保存されているか、仮想レイヤ内の連携によってグローバルに共有保持することで、アプリケーションに対して常に透過的な単一のストレージ・ビューとして見せることができるだけでなく、リモートサイトからのアクセスにおいても、あたかもローカルサイトでのアクセスのような高パフォーマンスを提供することができます。

ストレージ・フェデレーションのモデル

仮想ストレージを実現するストレージ・フェデレーションの全貌 図2

それでは、この「分散キャッシュ連携技術」により実現したストレージ・フェデレーションのモデルについて、ご紹介しましょう。

ストレージ・フェデレーションは、単一のデータセンターの環境内を仮想化する「ローカル・フェデレーション」と、ローカル・フェデレーションによって仮想化されたプール間を連携する「分散フェデレーション」の2つのモデルがあります。
ローカル・フェデレーションは、データセンター内の異機種混在環境のストレージを透過的に共通プール化し、それらの間で透過的にデータの移動、アクセス、共有、分散を可能とします。
分散フェデレーションは、「分散キャッシュ連携技術」により、これらの機能をデータセンター間に拡大して実現します。
これにより、データセンターの統合、移転、拡張の無停止での実施や、分散データセンター間のリソース利用効率の最適化や、データセンター間でのデータの保護の新しい仕組みを提供することができるようになります。

ストレージ・フェデレーションの効果例

また、フェデレーションによって共通プール化されたリソース内では、データの一貫性を維持しながら、高速に分散ミラーできることにより、アクティブ-アクティブ・ストレージとして、VMware VMotionによる仮想マシンの移動中及び移動後も、ストレージへのアクセスは無停止及び透過的に行うことができます。そのため、VMware Storage VMotionによる移動時間を排除することが可能となります。

仮想ストレージを実現するストレージ・フェデレーションの全貌 図3

また、Storage VMotionに代わって、アプリケーション側に負荷をかけないデータの無停止高速移動も可能です。このケースでも仮想マシンからは、常に透過的で無停止でのデータ移動をStorage VMotionよりもはるかに短い時間で行うことができます。(Vol.5にて公開予定。)

次回は、フェデレーションを実現する新製品「EMC VPLEX」をご紹介します。

著者プロフィール

EMCジャパン株式会社
プロダクト・ソリューションズ統括部
若松 信康

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