プライベートクラウドへ移行する前に知っておきたいこと ~仮想ストレージ、フェデレーションと運用自動化の今と未来~ - 最新テクノロジー解説 | EMCジャパン | Tech Community
情報インフラ構築支援 Tech Community HOME > 最新テクノロジー解説 > プライベートクラウドへ移行する前に知っておきたいこと ~仮想ストレージ、フェデレーションと運用自動化の今と未来~

プライベートクラウドへ移行する前に知っておきたいこと ~仮想ストレージ、フェデレーションと運用自動化の今と未来~

専門チャンネル 仮想化 カテゴリ最新テクノロジー解説 解説更新日2010/09/21
著者EMCジャパン 若松 信康 

現在、多くの企業でプライベートクラウドの検討が進んでいる。Forbesの調査によると、3割を超える企業がプライベートクラウドのパイロットプロジェクトを進めているか導入中であるという。さらに52%の企業が検討を進めており、何の計画も無い企業はわずか16%となっている。

国内でもプライベートクラウドへの移行検討が、今後加速していくと考えられるが、その検討にあたって、事前に知っておきたいプライベートクラウドを実現するための最新技術と今後の進化について、ここでご紹介する。

プライベートクラウドのモデルと実現のための要件

はじめに、プライベートクラウドの目的とモデルを整理しよう。
プライベートクラウドとは何か。それは、ビジネス生産性を上げるためのストラテジーであり、そのためのビジネスモデルとしてのリソース(IT、人、組織等)のあり方と利用方法であるといえる。つまり、単にITインフラコストを削減することだけが目的ではない(もちろん結果としてのコスト削減効果は大きいが)。ビジネス・ストラテジーとしてのプライベートクラウドは、従来の(IT、人、組織からなる)システムよりも、低いリスクでビジネスプロセス(ビジネス開始までのプロセスを含む)を効率化(短縮等)、高速化させるものである。
必要なものは、サービスの拡大、縮小といった環境変動に伴うリスク(過剰供給、オーバープロビジョニングによるビジネス上の利益率減少または必要なときにリソースが利用できないことによる機会損失)を最小化し、ビジネスツールとしてのITリソース(データ等)を、ビジネスに合わせてオンデマンドで利用(または利用の拡大・縮小や停止)したり、共有できる仕組みであり、さらに、個々のビジネスのためのリソースとその変化を可視化し、ビジネスとしての生産性を管理・コントロールすることで継続的に生産性を向上させる仕組みである。

この目的を実現する機能要素を整理すると、大きく以下の3点に集約することができる。

プライベートクラウドへ移行する前に知っておきたいこと ~仮想ストレージ、フェデレーションと運用自動化の今と未来~ 図1

 ① 効率的で安全で弾力性のある共通リソース・プール
 ② そこから、必要なときに必要なだけリソースを切り出して利用する仕組み
 ③ リソースをサービスとして管理しコントロールする仕組み

従来、プロジェクトや事業部毎に垂直統合型で設計・構築され、個別にリソース(IT、管理者、ノウハウ)を確保し、個々に部分最適を進めるという企業が多いとされている。しかし、ビジネスは変化し、プロセスの継続的な効率化を進める中で、社内リソースとして空きがあっても利用できない、または垂直統合リソース間の連携をアプリケーション(個別アプリ開発、アプリ・チューニング)のみに依存することで、サーバ負荷を増大させ、仮想化への移行(と統合率の向上)を阻害し、スピードとコスト削減効果を減少させているケースもある。個々の技術ドメイン(サーバー、ネットワーク、ストレージ)でそれぞれ仮想化を進めることによってリソースの分断を排除する共通プール化が、効率とスピードの基本とはなるが、利用に応じたコストをサービス・リソース・セットにおいて効率的に実現するためには、技術ドメインを超えた適材適所の利用(例えば、仮想サーバ-ストレージ間の連携機能により、サーバのCPUを極力使わずにストレージのCPUを有効活用したり、ネットワークのオーバーヘッドを削減する等)による、技術ドメイン間にわたって負荷をオフロードできる柔軟性が求められる。さらにその共通プールは、様々なビジネスプロセス全体にわたって拡張できることで、個々のビジネスに対してスケーラブル(拡張&縮小可能)で効率的でありながら、ダイナミックという価値を付加することができる。

プライベートクラウドへ移行する前に知っておきたいこと ~仮想ストレージ、フェデレーションと運用自動化の今と未来~ 図2

さらに、その共通プール化されたリソースから、利用者自身がすぐに簡単に必要なだけのサービス・リソースを効率良く切り出して利用開始または終了できることが求められる。これまでは、ビジネス要求に応じて、個々のサービス要件を満たすためのインフラを設計・構築した上で、サーバ、ネットワーク、ストレージ毎に個別にプロビジョニングしてリソースを割り当てる必要があった。そのプロセスには時間がかかるため、変更頻度を減らすためにオーバープロビジョニングをして効率を落としているケースが多い。個々のビジネスプロセスに組み込まれたこの時間的障壁を排除して、サービスとしてリソースを必要なときにすぐに提供するには、どうすればいいか。注文すればすぐ出てくる代表格といえるファーストフードを見てみると、利用者はメニューから自分の欲しいもの、例えばハンバーガーを注文するだけである。ハンバーグとパンではない。ピクルスの厚みを指定しないと作れないといわれることもない。セットを選べばポテトもドリンクも付いてくる。おおよそ数分で注文したものが出てくる。ファーストフードは必要なリソース(材料)を、個々のオーダープロセスとは切り離して効率良く調達し、事前に材料のセットをパッケージングし、調理プロセスも半自動化されているため、注文が入ればすぐに提供できる。利用者は、すぐに出てくるということも含んだサービス対価として料金を払っている。時間は単にコストではなく、供給速度を上げれば利益にもつながり、ビジネス生産性を上げることができる。それは、プライベートクラウドでも同様なはずである。サービスとして提供するリソースをサービスカタログにする。利用者はそこからメニュー(要件等に応じてサービス定義されたサーバ、ネットワーク、ストレージのリソース・セット)を選択することで、バックグラウンドで自動的にプロビジョニングされ、利用できる形となって提供される。こういった効率化された仕組みが必要である。

プライベートクラウドへ移行する前に知っておきたいこと ~仮想ストレージ、フェデレーションと運用自動化の今と未来~ 図3

こういったサービスとしてのリソース提供の仕組みの中で、ビジネス生産性を継続的に向上させるためには、個々のシステム管理を越えたサービスベースの管理が求められる。しかし、これまでは、サーバ、ネットワーク、ストレージといった各技術ドメインのシステム毎に、個別に運用管理してきた。サービスを提供する技術ドメイン間、システム間の依存関係や、それらがサービスに与えるインパクトが時間によって変化する中で、これらを人手で管理し続けるのは難しい。
必要なことは、サービス及びビジネスプロセスを安全に効率的にすることであり、そのためには、サービスの動的変化を可視化し、サービスリスク、ビジネスインパクトをクロスドメインで管理・分析・制御できることが求められる。

プライベートクラウドへ移行する前に知っておきたいこと ~仮想ストレージ、フェデレーションと運用自動化の今と未来~ 図4

このようなプライベートクラウドの要件を組み込んでいくことで、ITのコスト、ビジネスのコストを固定費から変動費に移行した上でコストを下げると同時にビジネス生産性を上げるというメリットを享受できる。

では、これらの要件はどうやって実現できるのか、その中身へ移っていこう。

著者プロフィール

若松 信康
EMCジャパン株式会社
プロダクト・ソリューションズ統括部

その他関連コンテンツ

災害対策ソリューション プレゼンテーション Webcast

オススメ・コンテンツ

Twitterで最新情報を提供中