情報管理のグリーン化 - グリーン・ストレージ | EMCジャパン | Tech Community

EMCが考える「これからの情報管理」の未来予想図を、さまざまな分野や立場、視点からご紹介します

情報管理におけるグリーン化のアプローチ

EMCでは、データセンター内の消費電力を削減するために、情報管理のストレージ・インフラストラクチャ上において「利用率の向上」、「容量を減らす」、「部分的に停止する」という3つのアプローチで貢献できると考えている。この3つのアプローチを実践するためのキーとなる既存または今後提供されるストレージのテクノロジーがあり、これらをうまく組み合わせて活用することで、ビジネス要件をしっかりと満たしながら、同時に情報インフラストラクチャのグリーン化を進めることができるだろう。

再度注目される物理的統合

第1のアプローチは「利用率の向上」である(図3)。2003年からのトレンドであるストレージの物理的統合、簡単に言うとSANやNASなどの統合型ストレージ(ネットワーク・ストレージとも言う)によって、ストレージの利用率を上げることができる。これが再び注目されているというわけだ。ただし、これまでは部門レベル、もしくはいくつかのアプリケーションなどの局所的統合であったが、最近はデータセンター規模で検討されるケースが増えてきている。

情報管理のグリーン化 EMCの「グリーン」化の取り組み

より効果を高めるには、併せてILM(情報ライフサイクル管理)のポリシー管理を導入し、サービスレベルに応じたストレージ・システムを選択する。
そこでは使用するHDDやRAIDレベルの選択に加え、相対的に消費電力が少ない機器とメディアにデータ移行を進めることも「グリーン」の大きな効果となる。
こうした対応において「どのくらい効果があるのか?」は気になるところだ。EMCでは各種ストレージ・システムに実装するコンポーネント(ボード、ユニット、HDDなど)に基づいて、必要な消費電力と発熱量を計算するパワー・カルキュレータ(Power Calculator)を使用し、「グリーン」効果を提示している。
物理的統合が再度注目される一方で、仮想化による論理的統合も非常にホットな話題となっている。例えば、サーバの世界ではVMwareによるサーバ統合により、その台数を1/5~1/20(代表的な例)に削減することができる。
日本における仮想化への取り組みは、開発環境などで評価を行う段階から、本番環境での使用へとシフトしてきている。また、ストレージの仮想化技術においても、具体的に導入を検討する企業が増えてきた。
また、ストレージの「グリーン化」に非常大きなインパクトをもらたすのが、新しいドライブ・テクノロジーであるSSDの採用である。従来の磁気ディスク装置がベースのストレージでは、高いパフォーマンス要件を満たすために、少ない容量でもあえてディスク・ドライブを複数並べ分散するような構成をとる必要があった。
これをSSDに変えることで、多くのディスク・ドライブに処理を分散させなくても、大きなパフォーマンスを得ることができ、加えて消費電力は既存のディスク・ドライブに比べて飛躍的に低減させることが可能になったのだ。

所要ディスク容量の抑制

2番目のアプローチは「容量を減らす」ということ。
例えば、最近注目のテクノロジーである「データ重複除外(Data Deduplication)」技術を実装したバックアップ・ソリューションを活用することにより、バックアップ対象のデータ量が飛躍的に減少する。「本当に変更されたデータ部分だけをバックアップする」ことにより、バックアップ関連サーバおよびストレージの処理能力の適正化が可能になるだけでなく、データ転送のための帯域も必要最小限に抑えることができ、ネットワークのインフラも最適化できるのだ。
また、最近、米国で「ファイル重複除外(File De-duplication)」技術とも言われているのが、アーカイブ専用ストレージで採用されている「シングル・インスタンス」技術である。シングル・インスタンスを採用しているストレージでは、ファイルの保管時に、その内容をハッシュ関数でチェックするため、同一ファイルの場合に重複保存はしない、という機能を持っている。こうしたファイルは典型的な非構造データであり、今後ますます増加が予想されるE-メールやファイルのアーカイブ格納時の所要ディスク容量を抑制する効果が高い、という点で注目されている。
また、インテリジェントなストレージが持つ「仮想プロビジョニング(シン・プロビジョニング)」機能を活用することで、アプリケーションに対する「無駄な領域」の割り当てを減らすことができ、全体のディスク容量が抑制できる。
この「仮想プロビジョニング」機能も情報インフラストラクチャのグリーン化に大きく貢献する重要なテクノロジーである。

部分的に停止する

3つ目のアプローチは、一定時間アクセスがないデータが格納されているディスク・ドライブを停止することである。
ストレージ・システムは数個から規模が多くなれば数百個にわたるディスク・ドライブで構成されている。しかしながら、常時すべてのディスク・ドライブ上のデータがアクセスされているわけではない。そこでストレージ・システム全体の中で、必要なとき必要なディスク・ドライブのみ駆動させ、アクセスがない領域のディスク・ドライブは停止させておくのである。これにより、大きく消費電力を抑えることが可能である。

定性的から定量的へ

「グリーン」への取り組みは、定性的なものから定量的なものに移りつつある。サーバの世界が先んじているが、ストレージについても定量的な指針を提示すべく、ストレージ分野の啓発&標準化団体であるSNIA(Storage Networking Industry Association)や米国・環境保護庁(EPA)も活動を始めている。今後の「情報インフラストラクチャとしてのストレージのグリーン化の動向にご注目いただきたい。

参考文献

EMC広報誌 Onマガジン 2008 Vol.1

INDEX

グリーン・ストレージ
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