具体的に仮想化に関する製品やサービスを説明する前に、これまでのサーバー仮想化の流れと今後の動向について紹介していこう。
サーバー仮想化は、2004年ごろにVMware ESX2.0が登場をきっかけとして多くの企業で、検討および評価・検証目的での導入が始まった。2007年までは、このような評価を中心に開発環境など業務に影響しないシステムでの利用や、一部のシステムへの限定的な展開が続いた。
本格的に仮想化が注目されるようになったのは2007年後半ごろからだ。サーバを構成する要素技術(CPU、メモリなど)の性能が飛躍的に向上し、1台のサーバーで複数の仮想サーバーを動かすことができるようになった。また、サーバー仮想化の後押しする要因としてはブレード・サーバの性能面・機能面の成熟も挙げられる。仮想化技術の成熟とサーバー技術の成熟により、多くの企業において、システム単位から部門レベルでの展開が検討され、企業によっては、全社的な標準プラット・フォームにする動きも見られるようになった。

次に、サーバー仮想化の発展に欠かせない技術の進化についてみていくことにしよう。
サーバー仮想化は2004年にESX 2.xがリリースされると、評価および検証、開発環境に導入するユーザーが増え、注目を集めるようになってきた。
この頃のサーバーの集約数は1台のESXサーバーに対して2~4台くらいと、決して多くはなかった。(これでも大きなコスト効果があるのだが)これは、当時のサーバーを構成する環境に起因している。
たとえば、2004年当時、多くのミッドレンジ・サーバーのメモリ搭載量は最大で12GBしか搭載できず、ネットワークはギガビット・イーサネットが標準搭載になったサーバーが登場したばかりだった。
CPUについても、当時の環境は、ひとつのサーバーでひとつのOSを動かすには十分だったが、複数のOS、特にデータベースやメールサーバを動かすには、まだ十分と言えるレベルではなかった。

2006~2007年に入って仮想化技術が成熟し、仮想化は企業の共通基盤と考えられるようになり、普及期に入った。この頃、VMware ESX 3.xがリリースされ、VMotion、HA、DRSなど革新的な仮想化技術が登場し、現在のサーバー仮想化の基礎を築いた。この頃から評価から導入の段階に入って、最初から仮想環境を考えてサーバーを導入する企業も増え始めた。
この間も、サーバーを構成する要素技術は格段に向上しており、メモリは1台のサーバで64GB、CPUもデュアルやクアッドコアものが登場し、ネットワークもギガビット・イーサネット+オフロード・エンジンの構成になっている。このように、仮想化技術とサーバーの要素技術の進化が成熟してきたのがこの頃だ。

そして、2008年から現在もサーバーの性能は飛躍的に向上している。特にCPUの性能の進化はめざましく、1つのCPUで2~6コアを搭載し、2010年にはAMD社から12コアの製品が登場する予定となっている。そして、インテル社のNehalem CPUは、Pentium Proリリース以降、最大の変革を遂げ、2004年のXeon MPに対して10倍の性能を持つという。
仮想化技術も進化しており、VMwareもバージョン4.0からvSphereという名前に変わり、クラウド・オペレーティング・システムに変わっている。
すでに、サーバー仮想化は企業の中で標準技術として認知され、その技術をどう活用するかに興味の対象は移っている。
たとえばvSphere4.0に搭載されているフォルト・トレラントの機能をミッションクリティカルな環境にどのように適応していくかというふうに、ティア1環境でも仮想化するユーザーも増えてきた。要素技術の進化もめざましく、仮想化専用モデルとして最大メモリ搭載量が384GBのサーバーが登場したほかNICやFCHBAの仮想化技術も登場しており、これらの要素技術が仮想化技術にあわせて成熟をはじめている。

このような要素技術や仮想化技術の進化により、2004年頃には4台程度しか集約できなかった物理サーバーは、現在では1台の物理サーバーで30台程度のが統合が可能となっている。そのため、サーバーの仮想化が増えるにつれ、今まではそれほど考えなくてもよかった仮想化環境のバックアップやデータの保護を考え直さなければならない時代に入ってきた。
このほかにも、集約が高まったことによるサーバーのキャパシティ管理や災害対策などによる、システムダウン時のリスク回避策が重要になってきている。お客様の中には、ティア1のサーバーでは仮想化は利用できないと思われている人もいるだろうが、仮想環境におけるフォルト・トレラント機能やHA機能利用できることによって、むしろ物理環境よりもサービス・レベルが高くなっている。このため、仮想化技術に対応しているOSであれば、ほぼ全てのシステムが仮想化環境に移行できる性能要件を備えているといえる。
そのときに、共有のリソースの管理方法やデータ保護、システム・災害対策などのリスクをどのように考えていくかが、大規模サーバー仮想化の成功の鍵を握ると考えている。
しかしながら、多くの考慮すべき事項を運用だけでカバーするのは非常に面倒だ。そのために仮想化に対応した新しい技術を積極的に導入することを推奨する。

小坂 剛生
EMCジャパン株式会社
グローバルサービス統括本部 テクノロジー・ソリューションズ本部
・ 厳しい経済環境を生き抜くためのITインフラストラクチャの役割
・ コスト削減とITガバナンス強化を両立する 情報インフラストラクチャ 全体最適化アプローチ
・ グリーンIT戦略:設備投資を増やすことなくデータ・センターの効率性を向上させるための4つのステップ
・ 仮想化環境バックアップの課題を解決する「超」重複除外EMC Avamar
・ 仮想化環境での効率化を追求したEMC CLARiX CX4シリーズ
・ 仮想デスクトップに求められる要件を全て満たすEMC Celerraユニファイド・ストレージ
・ 動的な仮想環境のI/Oを自動最適化するEMC PowerPath/VE
・ 理想のITインフラを実現するVMware vSphere 4
・ サーバ仮想化環境に適した情報管理環境 : バックアップ編
・ サーバ仮想化環境に適した情報管理環境 : ストレージ選択編
・ ストレージの最新技術を活用して コスト削減と情報インフラストラクチャの省電力化を実現する
・ グリーンITを実践 ストレージの消費電力を低減できる"エコ"テクノロジー
・ 将来の拡張への容易な対応 "UltraFlexテクノロジー"
・ ミッドレンジ・ストレージ・システム向けのクオリティ・サービス管理
・ ストレージのクオリティ・サービス管理 (QoS:Quality of Service )
・ サーバ統合だけではできない本当のグリーンIT(消費電力&設置スペースの削減)
・ EMC SRDF/TimeFinderおよび Oracle Database 10g/11gを使用した EMC Symmetrix V-Max
・ EMC Symmetrix V-Max と VMware Virtual Infrastructure
・ VMware InfrastructureおよびEMC Celerra Writeable Checkpointsを使用したOracle Database 10gの作成および展開の時間短縮
・ Celerra NSシリーズのVMware ESX Server向けEMC Avamarバックアップ・ソリューション
・ VMware ESX Server上のMS SQL ServerのEMCソリューション、EMC CLARiX CX3シリーズFCP
・ Microsoft SQL Server 2005を使用するEMC Symmetrix DMXへの仮想プロビジョニングの実装
・ OracleデータベースおよびEMC CLARiXストレージ・システムでVMware VMotionを使用する
・ CLARiXおよびVMware ESX Serverとともに使用するEMC Replication Manager
・ EMC RecoverPointによるVMware災害復旧の向上
・ EMC ControlCenterによるVMware ESX Serverと仮想マシンの管理
・ VMware Virtual Infrastructureを使用したEMC Symmetrix DMXへの仮想プロビジョニングの実装
・ EMC Celerra NSシリーズにおけるVMware ESX Serverのバックアップおよびレプリケーション
・ NAS構築実践ガイド ~ その3 : Celerra による、IP-SAN の構築とVMware環境への適用 ~
・ サーバの仮想化本格導入のためのビジネス継続性 ~CX4とVMwareにおける情報保護手法~
・ Oracle 10gおよびOracle 11gを使用したEMC Symmetrix DMXへの仮想プロビジョニングの実装
・ EMC CelerraのVMware仮想デスクトップ・インフラストラクチャ・プランニング
・ EMC Celerra IPストレージをiSCSIおよびNFS上でVMware Infrastructure 3とともに使用する
・ CLARiXおよびVMware ESX Serverとともに使用するEMC Replication Manager ベスト・プラクティスのプランニング
・ EMC CLARiXを使用したExchange 2003からVMware仮想Exchange 2007への移行
・ VMware環境でNQMを展開する際のベスト・プラクティス
・ 千葉工業大学 様