EMC Symmetrix DMX シリーズは、ハイエンド情報ストレージ・システムのリーダーとして、可用性、ストレージ統合、パフォーマンス、アプリケーション統合、電力効率性、情報中心型のセキュリティなど、現在のハイエンド・ネットワーク・ストレージ・システムに求められるサービス・レベルの要件を完全に満した既存の製品とは一線を画す高い機能を持っている。このような最高のパフォーマンスと最大の容量、最高レベルの可用性を実現しているのは、10 年先を見据えたストレージ・アーキテクチャである「Symmetrix Direct Matrixアーキテクチャ」が搭載されていることが大きな要因である。そこで、ここではSymmetrix DMX シリーズの核である、Direct Matrixアーキテクチャについて、紹介していこう。
情報の可用性
• 最も先進的で幅広く導入されている、ビジネス継続性プラットフォーム
階層型ストレージ統合
• 最も広範なサービス・レベルに対応するためのアプリケーション階層の統合
一貫性のあるパフォーマンス
• 最も要件の厳しい、予測困難なアプリケーションのワークロードに対し、ストレージ・リソースを常に最適化し、安定したパフォーマンスを提供
アプリケーションの統合と認定
• 導入期間の短縮とリスクの軽減のための最高レベルのアプリケーション統合電力効率性
• 今日のデータ・センター要件に対応した最高レベルの電力効率および冷却効率情報中心型のセキュリティの組み込み
• 先進的なセキュリティおよび統合されたRSA テクノロジー
シンプルな管理とオペレーション
• シンプルなストレージ割り当て、リソース管理、階層化
Symmetrix DMX シリーズがハイエンド・ストレージとして、マーケット・リーダーとなっているのは、先進的な技術が豊富に使われているDirect Matrixアーキテクチャが搭載されていることが要因のひとつだ。では、Direct Matrixアーキテクチャとは今までのアーキテクチャとはどのように違うのだろうか? 例を挙げて紹介する。
まず、ミッドレンジとの製品と比較してみよう。このクラスの製品でも可用性とパフォーマンスを実現するために、フロントエンドはサーバとの通信、バックエンドはディスクドライブとの通信、間にキャッシュを装備した構成になっており、これらをCPUを使ってコントロールすることでスループットの向上と安定した稼動を実現している。また、フェイルオーバーによる冗長性を実現するため、セカンド・コントローラを搭載したり、大量のデータを整理したり、フェイルセーフに対応するために2機用意して対応しているものもある。これにより、快適なスループットと万が一トラブルが起こった時にも十分に対処できる内容になっている。しかし、これはあくまでもディスク・ドライブの数やアクセス数がある程度限定されるミッドレンジでの話しで、より多くのドライブを接続し、アクセス数も膨大なハイエンド・ストレージの場合は、こうはいかない。まず、フロントエンド、バックエンド、キャッシュ間を1つのバスでコントロールすることは、ハイエンドの環境ではデータ遅延を起こしてしまう可能性がある。大量のI/O命令がやってくるハイエンドの場合、たとえデュアル・CPUを搭載していたとしても、処理することが難しいケースがある。また、フェイルセーフにおいても考慮しなければならない。コントローラを二重化して、一方のコントローラに問題があったとしても、片方のコントローラで処理はできる。停止するという最悪の事態は脱することができるとはいえ、どちらか1つのコントローラが停止してしまうとストレージ・システムとして提供できるパフォーマンスは半減してしまう。そうなると、ミッション・クリティカルな業務においては、致命的な事態になることもある。

そこで、ハイエンド・ストレージでは、フロントエンドとバックエンド、キャッシュを複数化し、それぞれにコントローラを用意するシステムが採用されている。これなら、大量のストレージやI/O命令が来ても対処できる。
ここで問題となるのが、それぞれのブロックを接続する方法についてだ。一番シンプルな方法としてミッドレンジ同様、バスで接続する方法がある。こちらは3つのブロックをバスによって接続するだけのシンプルな構成だ。したがって、高いパフォーマンスながら低コストで実現できることが大きな特徴だ。ところがこの方式では、アクセスが集中するとバスの競合が起こって、データが遅延する可能性がある。したがって、ミッション・クリティカルな用途では、大きなネックになる。つぎに、バスではなくスイッチを使う方法がある。インテリジェントスイッチを使い、各ブロックを柔軟に接続することで、高速なスループットと安定した運用が可能だ。ただし、ここでも特定のデータの呼び出し方によってはスイッチの競合が起こり、遅延の原因となる可能性がある。さらに、両方式ともその利用法は画一的で、拡張性はあまり考えられておらず、環境に応じて柔軟に対応するというわけには行かないのが現実だ。

Direct Matrixアーキテクチャは、このような問題を解決する、斬新なアイデアが満載された、ハイエンド・ストレージに最適なコントローラだ。基本的には、他のハイエンド・ストレージ・コントローラと同様にフロントエンド、バックエンド、キャッシュメモリという構成だが、遅延の原因となるバスもスイッチも一切使っていない。具体的には、フロントエンドとバックエンドにあるチャネル・ダイレクタとグローバル・メモリとを最高128 本の専用データ・パスを使用して接続している。経路の多重化を行うことで、バス型のようなシンプルな構造ながら、抜群のスループット、帯域幅、拡張性、レスポンス・タイムの障害克服を実現している。

笹沼 伸行、及川 仲徳
EMCジャパン株式会社 テクノロジー・ソリューション本部
ハイエンド・ストレージ製品を担当
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