各種機能を備えた企業向けストレージにおいても、依然ドライブ(HDD/SSD)は重要なコンポーネントである。一般に企業向けストレージに求められる要件として、「可用性」「拡張性」「機能性」「性能」「コスト」が挙げられるが、その中でもドライブは「可用性(信頼性)」「性能」「コスト」に大きく影響している。企業向けストレージは必ずRAID保護方式を採用しているが、信頼性の低いドライブは頻繁なRAIDリビルドを伴い、データ消失のリスク増大や性能劣化などサービスレベルの低下を招く。そのため、多くのストレージベンダーはドライブの信頼性を重視している。また、ストレージの多くはキャッシュによるI/O性能向上を施しているが、キャッシュヒットしないI/Oについてはドライブの性能がそのままストレージ性能に繋がる。一方、ストレージのコスト関しては、大容量ドライブの採用がコスト削減に効果的であるのは明白だ。この様に、ドライブは企業向けストレージにおいて、最も重要なコンポーネントの1つである。
現在、企業向けストレージに採用されているドライブの大多数が、Fibre Channel(FC)インタフェースのHDDである。なかでもハイエンドストレージでは、15,000rpmの高性能HDDが多く使われている。一方で、コストを重視した大容量SATAⅡ HDDもシェアを広げつつある。アクセス頻度の低いデータについては、積極的にSATAⅡ HDD上に配置するような設計が一般的になってきたのが主な原因だ。2009年末には、2TBのSATAⅡ HDDがリリースされる予定で、より大容量ドライブの普及が加速すると予想される。その中で、SSD(フラッシュドライブ)はまだ十分に普及しているとは言い難い。EMCでは、2008年の初旬からハイエンドストレージのドライブとして提供し始めたが、一部の高性能を求める業務に採用が留まっているのが現実である。

EMCでは、採用しているSSD/フラッシュドライブをEFD(Enterprise Flash Drive)と呼び、コンシューマ向けのSSD/フラッシュドライブと区別している。EFDは性能と信頼性を重視して、フラッシュメモリとしてSLC(Single Level Cell)タイプのみを採用している。SLCタイプのフラッシュメモリは、コンシューマ向けフラッシュメモリであるMLC(Multi Level Cell)タイプのものより大容量化(容量単価)の観点で不利だが、信頼性(耐久性)やアクセス速度についてはMLCタイプより高性能である。また、EFDはデュアルポートのインタフェースを採用し、ストレージ内部の冗長構成に対応している。

EFDの内部構造についても、企業向けのニーズ(高信頼性、高性能)に耐えうる工夫が施されている。ドライブベンダーが提供しているモデルは、フラッシュメモリ搭載容量が128GB、256GB、512GBの3種類であるが、これらをストレージからは73GB、146/200GB、400GBと少ない容量のドライブとして利用し、余剰分はウェアレベリングを行うための空き容量として信頼性を確保している。また、高速なWrite I/O処理とウェアレベリングを両立するために、ドライブ内に電源保護機構を備えたSDRAMをキャッシュとして利用している。この様にEFDは、コンシューマ向けSSDとは異なる構造を備えたハイエンドのSSDである。

竹内 博史
EMCジャパン株式会社
グローバル・サービス統括本部 テクノロジー・ソリューションズ本部 技術部
・ コスト削減とITガバナンス強化を両立する 情報インフラストラクチャ 全体最適化アプローチ
・ 仮想化環境バックアップの課題を解決する「超」重複除外EMC Avamar
・ 工事にまつわる設計・進ちょく情報を、リモートで一括バックアップ
・ 万が一の被災時にも、直ちにシステムを復旧し、業務を継続できる体制を構築
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・ EMC Celerra Version 5.6 Technical Primer:書き込み可能スナップショット(チェックポイント)を使用したファイル・システム、アプリケーション、および災害復旧のテスト
・ EMC RecoverPointによるVMware災害復旧の向上
・ 導入経験者が語る 災害対策プロジェクトの勘所と、最先端ソリューション