学校名 : 弘前大学 総合情報処理センター
所在地 : 青森県弘前市文京町3
総合情報処理センター : 国立大学法人弘前大学の全学共同利用施設として、昭和60年度から情報処理センターが設立され、平成6年度に総合情報処理センターに改組
教職員数 : 1,671人(平成20年5月1日現在)
総学生数 : 6,759人(大学院を含む、平成20年5月1日現在)
URL : http://www.cc.hirosaki-u.ac.jp/

弘前大学の総合情報処理センターは、学生から教職員まで約1万人のユーザに不可欠な情報基盤を提供する全学共同利用施設。2003年2月のシステム更新で「EMC Celerra CFS-14」を導入し、教育・研究用システムに用意されていたファイル・サーバを統合して堅牢なファイル・サーバ環境を実現した。さらにその4年後の2007年のシステム更新時も、前システムの構築ポリシーを踏襲してEMCのストレージ・ソリューションを導入した同センターでは、これまでの5年間の運用実績から、大学の業務や研究を支える高可用なシステムとして高い信頼を寄せている。

学術情報部情報基盤課
情報基盤グループ
技術専門職員 須藤勝弘 氏
弘前大学総合情報処理センターは、同大学の教育・研究や学術情報サービス、事務処理業務などを支援する効率的な情報処理システム環境の提供を目的に、それまでの情報処理センターを改組・拡充して1994年6月に設置された学内共同教育・研究施設。1995年2月から4年ごとにシステム環境が更新され、最新のIT環境を整備することで、同大学の教育・研究活動を強力にサポートしてきた。2003年2月のシステム更新では、2002年3月に導入されたギガビット・ネットワークの高速性を活かしたシステムが構築され、高速・大容量ファイル・サーバ・システムとして「EMC Celerra CFS-14」が導入された。
それまで同センターでは、汎用のUNIXサーバとRAIDディスクによるファイル・サーバを利用していたが、管理の煩雑さと性能が問題視されていた。ファイル・サーバを刷新した背景について、弘前大学の学術情報部情報基盤課情報基盤グループ技術専門職員、須藤勝弘氏は次のように語る。「その当時、メールの使用率が高まるにつれて応答速度が低下していました。ファイル・サーバの性能に問題があると考え、専用システムの導入を検討しました」。システム更新を担当したネットワンシステムズ株式会社が調べたところ、サーバ内にはプロバイダー並みの大量のメールが蓄積され、それが応答速度を低下させている主な原因であることがわかった。そこで同社では、負荷分散装置とファイバ・チャネル(FC)スイッチでメール・システムの環境を仮想化して、メール・サービスを安価に高速化する方法を考案した。ネットワンシステムズの地域事業グループ地域事業本部 東日本技術部東北技術第1チーム、渡邉孝之氏は、「その機構を実現するためには、高速I/O性能を備えた信頼性の高いストレージが不可欠になります。その要件に適合したのがEMCのストレージでした」と説明する。

総合情報処理センター准教授
博士(工学) 佐藤友暁 氏
こうして同センターには、高速I/O性能を実現するゲートウェイ型IPストレージ「EMC Celerra CFS-14」とハイエンド・ディスクアレイ「EMC Symmetrix 8530」が導入され、教育用と研究用システムで使用されていたファイル・サーバが1つに統合された。Symmetrix 8530には約4.3TBのディスク・ドライブが搭載され、CelerraとはFCスイッチ「EMC Connectrix DS-16M」で接続、ユーザはCelerra経由でSymmetrix 8530上のファイル・システムを共有する。これらのファイル・サーバ・システムは、"堅牢なファイル・サーバ専用機を中心としたシステム"という同大学の仕様策定委員会のポリシーに基づいて構築された。総合情報処理センター准教授、佐藤友暁氏は「特にメール・システムは教職員から学生まで、ほぼ全学で利用するため非常に重要な位置づけにあります」と語り、須藤氏も「センターが提供するサービスの中枢を担うのがファイル・サーバです。これがダウンするとすべてのサービスが停止するため、絶対に止まらないファイル・サーバが必要でした」という。このため同センターでは、2台の負荷分散装置を使用して複数台のメール・サーバを構成し、ファイル・サーバとディスク・アレイ間を二重化されたFCスイッチで接続して耐障害性と高可用性を実現している。
弘前大学総合情報処理センターは、その4年後の2007年2月のシステム更新で、センター内のサーバをブレード・サーバとラックマウント型サーバ2種に集約し、管理性を向上させるとともに、ファイル・サーバ環境についても前回のポリシーを継承し、EMCの「Celerra NS704G」および「Symmetrix DMX800-M2」による6TBのメイン・ファイル・サーバと、5TBのバックアップ用ファイル・サーバ「Celerra NS502」を導入。さらに、ユーザ認証用のLDAPサーバとRaduisサーバも負荷分散装置で多重化し、学内各部局のWebサーバ用に「VMware ESX Server 2.0」を導入した。
新システムのインテグレーションは、前回と同様に総合評価方式による一般競争入札を経て、ネットワンシステムズが担当した。同社について准教授の佐藤氏は「前回導入したシステム環境が非常に安定していたことやサポート体制も高く評価されました」と語る。さらに、須藤氏も、迅速でキメ細かいサポート対応力を評価している。また、学術情報部情報基盤課情報基盤グループ技術職員、小倉広実氏は「センターにはさまざまなメーカーの機器が導入されていますが、こうしたマルチベンダー環境で発生する問題にも対応できる技術力を評価しています」と語っている。
同センターでは、EMCのファイル・サーバ環境を2003年2月のシステム更新で導入して以来現在まで、5年以上にわたって利用してきたが、佐藤氏は「メール・システムが停止するなどの重大な障害やトラブルに見舞われたことはありません」と語り、性能や可用性についても懸念材料がないことを強調している。「ユーザにとってEMCのファイル・サーバは空気のようなものです。必要不可欠ですが、その存在を意識することなく利用しています」(佐藤氏)。

同センターで処理されるメールの件数は、システム更新当時は1日あたり6万7,000件ほどであったが、現在では8万8,000件以上に達している。佐藤氏によると、2007年2月に更新された新システムでは、ユーザの利便性を考慮してWebメール・システムを導入したこともあり、メールの処理件数やファイル・サーバに保存されるデータは増加傾向にあるという。このため佐藤氏は、「2007年からサービスを開始したWebメールの使われ方とデータ量の増加をこの1年くらいで分析し、Webメールが急増するようであれば、容量などの対策を検討することになるでしょう」と語っている。

弘前大学 総合情報処理センターのみなさん
また、現在同大学では、学生がWindowsやLinuxのファイル・サーバを教育用で使用しているが、須藤氏は、教職員に対してメール・システム以外の用途でEMCのファイル・サーバを使用するケースが、どの程度あるかを再確認したいと語っており、さらに「まだ方針として決まっているわけではありませんが、将来的には事務系の業務システム用のファイル・サーバとしても使用する可能性があります」と、これまで教育・研究用のシステムを整備・運用してきた総合情報処理センターが、総務部や財務部などが担当していた事務系の業務システムも担当する可能性を示唆している。
EMCについてネットワンシステムズの渡邉氏は、顧客が従来では想定されていなかったような新しい使い方をし始めても、Celerraではそれに対応できる機能と性能がOS「DART(Data Access In Real Time)」のバージョンアップで提供されてきたと評価しており、「そうした顧客のニーズに対応できるEMCの技術陣の協力で弘前大学の信頼を勝ち得ることができました」と語っている。
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