東京大学生産技術研究所 様 - バックアップ・アーカイブ | EMCジャパン | Tech Community

「情報管理の処方箋」を適用いただき、大きな成果をあげられているお客様の事例をご紹介いたします

会社情報

社名 : 東京大学生産技術研究所
設立 : 1949年5月31日
所在地 : 駒場キャンパス 東京都目黒区駒場4丁目6番1号
URL : http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/index.html

東京大学生産技術研究所 駒場第二キャンパス外観
東京大学生産技術研究所:駒場第二キャンパス内
(同所映像技術室提供)

世界有数の地震国である日本において、災害を想定したデータ保護対策は必須である。
東京大学生産技術研究所は、バックアップデータを遠隔地にも置くことでデータの安全性を確保するための体制を整えた。

信頼性の高さを評価し、3世代続けてEMCを導入

東京大学生産技術研究所 電子計算機室 林周志 氏
電子計算機室
林周志(はやし ひろし) 氏

東京都目黒区駒場。その駒場地区において東京大学は、教養学部がある駒場第一キャンパスと、駒場公園をはさんで工学系の研究施設が集まる駒場第二キャンパスを抱えている。今回登場する東京大学生産技術研究所は、先端科学技術研究センターとともに駒場第二キャンパスに立地している。
生産技術研究所は、第二次世界大戦中の1942年に千葉市に設置された第二工学部を前身として、戦後の1949 年に「生産に関する技術研究」を目的に開設された。1962年に港区六本木に移転後も、千葉市内の施設は生産技術研究所附属千葉実験所として現在に至っている。1998年には六本木キャンパスから現在の駒場第二キャンパスへの移転が始まり、2001年に移転を終えた。
生産技術研究所が、最初にEMCのソリューションを導入したのは2000年3月末。ちょうど六本木から駒場第二キャンパスへの移転と時期が重なる。2003年3月末にそのシステムを刷新、そして2006年3月末には、3世代目となる現在のシステムが稼働を開始した。
3世代目となるファイルサーバ・システムの特徴について、東京大学生産技術研究所電子計算室
助手の林周志(はやしひろし)氏は、「ディザスタリカバリを考慮して、リモートバックアップ・システムを千葉県柏市の柏キャンパスに置いたところにあります」と語る。その背景には、データの安全性確保に関する意識の高まりが関係している。
最近では、1995年の阪神淡路大震災、2004年の新潟県中越地震などの大規模地震があり、さらに今後は南海地震や東南海地震の危険性が指摘されるなど、災害対策の重要性が認識されるようになってきている。
生産技術研究所には耐震工学部門があり、災害関連の危機管理に関しては40年以上の歴史を持っている。また、研究所内には建築や土木をはじめとする工学系研究室が集まっており、大規模地震の対策も重要な研究テーマである。このような背景があることから、電子計算室には「ウチのデータ管理はどうなっているの? という問い合わせも多くなってきていました」と、東京大学生産技術研究所電子計算機室室長補佐(助手)の福島瞳氏は語る。
また、ストレージシステムの低価格化が進んだこともあり、システムの刷新にあわせて、リモートバックアップによるディザスタリカバリを完備したシステム構成を検討することになる。

駒場から40Km離れた柏にバックアップシステム

東京大学生産技術研究所 生産技術研究所に設置されたストレージシステム「Celerra NS702」
生産技術研究所に設置された
ストレージシステム
「Celerra NS702」

リモートバックアップの導入で考慮すべきポイントの1つとして、メインのシステムとリモート先のシステムの距離が挙げられる。仮に大地震が発生したときにも、リモート先のシステムには被害がおよばない距離が求められる。そこで選ばれたのが、東京大学の柏キャンパスである。
東京大学には北は北海道から南は奄美大島まで付属施設があり、関東一円にも多くの付属施設を保有している。そうした場所も距離という点ではリモートバックアップ施設の候補となりうるが、「大容量のネットワーク回線が張られていませんでした」(林氏)という問題があった。かといって、外部のデータセンターを活用する方法ではコストがかさんでしまう。
柏キャンパスであれば、駒場地区から直線で約40Km離れているうえに、1Gbpsの伝送速度を備えた東京大学の基幹ネットワーク「UTnet」で接続されている。UTnetへの接続という意味では、東京大学の本郷キャンパスも候補となるが、駒場第二キャンパスからは近すぎるという判断であった。
このリモートバックアップを含む生産技術研究所のシステムにおいて採用されたのが、EMCのソリューションである。
調達は情報システムとして一括入札ではあるが、これまで2代続けてEMC製品を導入してきており、しかも「トラブルがなく、非常に安定していました」(林氏) という面から見れば、当然の帰結だったかもしれない。
「もちろん、他社製品も比較検討しましたが、アーキテクチャの美しさはEMCが一番ではないでしょうか。そこがとても気にいっています。また、冗長構成をするためには、他社のシステムでは同一構成のマシンを2台設置しなければならなかったり、リモートバックアップ・システムを組むにはまた別のベンダのシステムと組み合わせなければならなかったりしましたが、EMCのソリューションではその必要がないことも大きなポイントとなりました」と林氏は評価している。

東京大学生産技術研究所 電子計算機室 室長補佐(助手) 福島瞳 氏
電子計算機室
室長補佐(助手) 福島瞳 氏

生産技術研究所に設置されたストレージシステムは「Celerra NS702」で、柏キャンパスには「C e l e r r a NS502」を配置した。ディスク容量は、駒場キャンパスの「C e l e r r a NS702」ではFCドライブが10TBとSATAドライブが3.8TB、柏キャンパスの「Celerra NS502」ではFCドライブが1.1TB、SATAドライブが3.8TBという構成になっている。加えて、リモートバックアップ・システムには「Celerra Replicator」を採用した。「Celerra Replicator」は、変更されたデータのみを送信することにより、効率的な非同期レプリケーションを実現する。レプリケーション中も本番データは完全にアクセス可能なため、システムには影響を与えることはない。
また、今回のシステム刷新により、これまでのバックアップの運用を見直し、各サーバで行っていたバックアップを一元化した。柏キャンパスには、その一元化されたバックアップのデータが転送されている。この結果、それまで使用していたテープ装置が不要になったのである。
「以前は、サーバごとにテープ装置でバックアップを実行していました。ところが、テープの場合、大地震などがあると焼けてしまうのではないかという心配があります。加えて、自動バックアップでも、ドライブの故障や、テープエラーなどのトラブルで、バックアップが取れないということもたびたびありました。それが今回のシステムでは、バックアップの一元化や、リモートバックアップ導入のおかげでテープバックアップが不要になり、余計な心配がなくなったうえに、作業自体も非常に簡単になりました」と、福島氏は予想以上の効果を実感している。

帯域制御をかけることで回線の余裕を確保

生産技術研究所の電子計算機室に設置されているファイルサーバの用途は、各研究室が管理するホームページの関連データの格納、技術計算データの保存、さらにメールサーバのバックアップなどである。生産技術研究所に登録されているユーザー(教職員や大学院生、研究員など)のアカウント数は、1,600以上になる。また、接続登録されているクライアント数は5,000にのぼる。しかも電子計算機室をはじめとして研究室で使用しているクライアントマシンは、UNIX系、Windows、Macといった各種のOSが混在しているという。
こうした複雑な環境で使用されているデータが、柏キャンパスのリモートバックアップ・システムにも保存される。
リモートバックアップへのデータ転送は、「Celerra Replicator」の設定により、10分ごと、もしくは600MB の差分データが生じたときに自動的にデータ転送される。ただし、「UTnet の回線容量は1Gbpsありますが、大量のデータを送信するとほかに影響を与えますので100Mbpsに帯域制御しています」(林氏)とのこと。当初は、柏キャンパス側へのデータ送信で800Mbpsを占有してしまったこともあるという。今では帯域制御をかけていることで、そうした心配はなくなった。

東京大学生産技術研究所 構成概略図

3年ごとにシステムを更新。次の更新計画も視野に

生産技術研究所は、情報システムのライフサイクルを考慮し、3年ごとに更新を図ってきている。そのため、次のシステム導入計画に着手する時期が近づいているのである。
今後のシステム構成について林氏は、「現在のシステム構成でパフォーマンスも容量も十分かもしれませんが、長期的には容量の拡大が必要になってくると考えています。研究所という位置づけを考えれば、研究データをはじめとした多くのデータを無条件で長期保存しておけるようなファイルサーバ・システムが必要となってくるのではないでしょうか」と語る。
生産技術研究所としても研究領域が広がっていくことは確実であり、それにともなって研究データも増えていく。また、今後はクライアントマシンについてもバックアップ対象とすることを林氏は考えている。
現状に満足することなく、常に新しい情報施策に取り組んできた生産技術研究所の電子計算機室。新システムに対する取り組みも要注目である。

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