
現在は一般の人々でもインターネットで情報を自由に入手し、加工できる時代を迎えています。一昔前であればサプライヤー(供給側)が情報を握り、消費者側(需要側)は自由に情報にアクセスできませんでしたが、いまではむしろ、情報を提供される側であった人たちがふんだんに情報を活用して、さまざまなことを創造できるようになりました。まさに“情報ルネッサンス時代”と呼ぶことができます。
フランチャイズ(FC)ビジネスを展開するローソンは、本部として約9,400店舗のPOSデータと720万人の会員データを保有しています。これらのデータをスーパーバイザー(SV)と呼ばれる店舗指導員を含めて社内でさらに有効に利活用し、現在の情報ルネッサンス時代に対応していく必要があると考えています。これまでローソンは、コンビニエンス・ストア(CVS)のフランチャイザーとして、新規出店の拡大や新商品開発、マーケティングによる集客によって成長してきました。その背後では、ITシステムがCVSのバリューチェーンを支え、発注精度の向上や店舗の生産性向上などFC加盟店オーナーを支援してきました。これらのITシステムは店舗開発や商品開発、店舗運営といった各ライン毎に最適化され、個別に活用してきていました。
こうした状況を、更に広く・深く有効に利用を推進していくのが、次世代ITシステム構想の“ローソン3.0”です。情報を基軸として社内を同期化し、それによってフランチャイザーとしての本部機能を強化するとともに、社内のPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルを高速に回せるようにする計画です。
今回、EMCのストレージ・ソリューションによって構築したストレージ基盤もこの構想に基づくもので、今後は“ローソンパス”によるポイント交換サービスや新Loppiの導入、POSレジ・ストアコンピュータの刷新などを順次、実施していきます。さらに、こうした“ローソン3.0”構想に基づく次世代ITシステムによって、店舗システムの効率化や顧客起点の品揃え、サービスを実現するための業務改革プロジェクトを進めています。これを“PRiSM(プリズム)”と呼んでいますが、“顧客から選ばれるローソン”を目指して全社規模で推進しているところです。
この施策を支える本部のコアな仕組みとして、インテリジェンス・コンピテンシー・センター(ICC)の構築も計画しています。社内の情報を各ライン横断で同期化し、本部の情報をスーパーバイザーが、より有効に活用できる仕組みを作りたいと考えています。
情報を大量に収集・分析すれば、さまざまなことがわかります。ローソンには全国で約9,400店舗のPOSデータ、720万人の顧客データがあるわけですから、1店舗の情報だけでは見えてこない消費傾向や購買パターンを把握できます。つまり、どのようにすれば来店頻度を上げてもらえるのか、あるいは商品の購入点数を増やしてもらえるのかを、データをもとに科学的・客観的に分析し判断できるようにしていくことです。マーケティング施策にしても、広告代理店などの主観的な提案に基づいて実施するのではなく、明確なKP(I 主要業績指標)を設定し、PDCAサイクルで運用してその結果を見える形で評価できる仕組みが必要です。そのような仕組みをICCで実現したいわけです。

